
「実験」と聞くと、何か理系っぽい響きを感じる人もいるかもしれません。「なんで心理学で実験なの?」と疑問に思う人もいるでしょう。でも、学問としての「心理学」を学ぶにあたっては、実験は避けては通れないものです。それは、心理学が「心を科学」することを目指している学問だからです。
私たちは「心」についていろいろなことをすでに知っています。それは毎日の生活の中で身につけた知識かもしれませんし、誰かから教えてもらった知識かもしれません。でもそれらの知識は果たして本当なのでしょうか?ウソが混じっていないでしょうか?なんか胡散臭いと思ったことはないでしょうか?もし、そう思ったときには、それを実際に確かめてみることが一番です。頭で、理屈で考えてみるだけではなく、実際にやって確かめてみる…これが実験の原点と言えるでしょう。ですからやってみて体験することをこの授業の一番のポイントに置いています。
とはいえ、実際にやって確かめてみると言っても、なかなか難しいものです。ただ確かめてみるだけではなく、できるだけ真実に近付かなくてはなりません。そのための実験の方法もこの授業では学びます。少しややこしい実験のルールや、統計の手法なんかについても触れなくてはなりません。少し尻込みするところかもしれませんが、これもやってみて、体験してみてなんとかクリアしていきましょう。頭では躊躇していても、実際にやってみれば、けっこう何とかなるものです。
この授業では、実験での道具作りから始めます。小学校の図画工作みたいなことをします。そのことで、出来あいの実験道具を使うのではわからない、道具の中にある実験の理屈みたいなものも体感してもらいます。そうかと思えば、コンピュータを使ってデータの分析をするようなこともします。一つひとつの体験を通して、「心」を「科学」する手順を学んでいきます。
身近な「心」についての実験ですから、興味を持って取り組めると思います。実験を通していろいろな新しい発見もあります。授業で、頭で覚えていたことが、体験を伴って理解できるようにもなるでしょう。
心理学について深く学びたい人は、この授業をとらないわけにはいきません。この授業を学ばずして「心理学を学びました」とは言えません。それだけ重要な科目です。また、心理学を深くは学ばない人にとっても、「心」に興味がある人であれば、学んでみる価値がある科目です。