



学科長 小村 毅
いまからほんの半世紀前、人にとっての最大の敵は、結核をはじめとする感染症でした。
我が国を含めた経済的に豊かな国では、治療法の開発、ワクチンの開発、栄養の改善によって、それらは新型ウイルスを除いては克服されたように見えます。かわって現れたのが過食、運動不足、ストレス過多など私達が生きてゆく習慣の中に潜む危険です。今や、敵は私たち自身の中にいると言えます。このような生活習慣病を克服するためには栄養、運動、生活、休養、ストレス対処について専門的な知識と技能をもった人々の働きが必要です。それが管理栄養士です。
本学では管理栄養士志望の入学志願者が増えている現状に合わせて2010年度の入学生から、従来の管理栄養、食物学専攻を一本化して管理栄養専攻2クラス(定員80名)といたしました。
管理栄養士養成に関わる専門科目、現場での実習、加えて国家試験のための勉強と学生は多くのことを学ばなければならないのですが、自分の夢を達成させるためにはそれに向けた学習意欲を持ち続ける強い意志が大切です。入学時に比べて4年後、見事に成長、変身して巣立って行く姿を毎年見送るのは私たち教員の喜びです。
教育研究上の目的
健康栄養学科は、本学の教育理念であるキリスト教の愛の教えに基づき、人間の健康と栄養のあり方を広い視野から探求し、科学的且つ論理的に捉える能力と実践する能力を身に付けると共に、社会に貢献できる豊かな人間性と高度な専門性を兼ね備えた「食」の専門家を育成することを目的とする。
健康に暮らすことの基本は「食」にあります。心と身体の健康を維持するには、正しい食生活のための専門知識が必要です。健康栄養学科では「食」に精通した人材の育成と、人びとの健康維持と生活の質の向上を「食」を通して実践できる人材の育成をめざします。
食生活のあり方を研究し「健康寿命」を追求
「食」は人間が生きていくうえで欠かすことのできない最も大切な要素です。「食べ物を選び、口に運ぶ」という食べ方が、人の健康寿命に大きく影響することが科学的に明らかにされ、「食」の正しい知識と新しい知識を具体的に表現する確かな技術が求められるようになってきました。今、最長寿国の地位を保ち続ける日本の食生活が世界から注目を集めていますが、その一方で、人びとのライフスタイルの多様化により、外食や調理済み食品への依存度の増加、家庭で調理する機会の減少など、日本人の食生活が急激に変化しています。現代社会に生きる人びとの正しい食生活を指導できる人材の育成が期待されているのです。21世紀に生きる私たちにとって質の高い食生活とはどのようなものであるべきか、皆さんと共に総合的に追求していきます。